現在の葬儀事情

 

戦後、全国的に葬列がほとんど姿を消し、告別式中心の葬儀に移行していきます。葬儀が通夜と告別式の2日間に集中、短縮され、初七日法要も葬儀・告別式当日に繰り上げて行われることが一般的になりました。さらに会葬者に迷惑をかけられないなどを理由に、葬儀・告別式を1時間内で行うことが一般化しました。

会葬者は会社を休んでの日中の弔問より就業後の夜間の弔問が便利とあって、告別式よりも通夜に訪れることが多くなる傾向にあります。家族・近親者は仮通夜を先に行って、弔問を受けるものを本通夜とし、祭壇も設営して葬儀・告別式と近い形で営むようになりました。

平成13年以降の不況の影響もあり、葬儀の小型化、密葬化もすすみます。葬儀に対するコミュニティの関わりも弱くなり、葬儀の個人化傾向としてその人らしい葬儀への関心の高まり、「お別れ会」方式の葬儀が出現するなど多様化が進んでいます。

また、中陰の7日ごとの法要は省略され、四十九日の法要のみに簡略化される傾向にもあります。

 

現在、葬儀の環境を大きく変えているのは斎場(葬儀会館)です。元来は葬儀の場所は自宅または寺が主でしたが、戦後の家の構造変化や式場環境の快適化などから斎場を望む声が大きくなりました。今では葬祭業者による民間斎場が大幅に増加しています。式場だけでなく、遺族控室、会食室、仮眠設備、駐車設備を整えているのが一般的です。自宅や倉庫改造タイプの小型のものから数十億円をかけた大型のホテルタイプのものまであります。お別れ会や法事利用へ積極的な営業姿勢を見せています。

 

葬儀の場所が斎場に移ったことにより、葬祭業者にはよりきめの細かいサービス、対応が要求されるようになりました。これに伴い、葬祭業の業態も設営、式運営から、遺族のケアも含めた葬儀期間全体にわたるものに変化しつつあります。

そのため、地域で斎場競争が生じるところも多く、斎場建設に経営悪化も見られるようになります。斎場を保有しない場合は、専門的知識・技能およびソフトによる特化を図る必要がでてくるなど、いっそうの経済努力が葬祭業者に求められる時代になりました。

 

昭和63年前後より、湯灌専門業者の誕生や、遺体の消毒・防腐・復元・化粧の技術であるエンバーミング(遺体衛生保全)により、新しい遺体処理が注目を集めています。その他、遺体処理を専門にする納棺師や死化粧なども登場しています。

 

平成2年前後より葬儀の個性化を求める動きも出てくるようになりました。さらに 平成4年以降、報道などから社会の葬儀に対するタブー意識が薄れ、葬儀費用明確化の要望や葬儀の内容への注文、さらには事前相談も増えてきました。行政による消費者向けの葬儀関連セミナーも増加しています。組合などでは、個別業者による相談コーナーの設置や生前予約に関するさまざまなサービスも行われています。地域共同体が主体であった葬儀から、次第に葬祭業者に運営まで任せるよう移行していく中で、葬祭業者のサービスの質の向上が図られています。

しかし、業者依存が進むと、「地域の文化」としてあった葬儀文化は「葬祭業者の文化」になりつつありました。葬儀への批判は「業者主導で営まれる」と葬儀業者に向けられるようになりました。葬祭業者に課せられる葬儀への責任が重くなり、サービスの量的、質的充実など対話を通じて理解を得ていくことがいっそう求められるようになっています。そうして地域の意向を重視していたものが、次第に家族・親族の意向重視に、そして最近では家族・本人の意向重視に変わってきており、葬儀への希望の多様化が進んでいます。

 

平成11年、全葬連は、全国大会で「生活者への宣言」を採択しました。葬祭業者の仕事とは、グリーフ(死別の悲嘆)の中にある遺族を、希望にそって支援することであるとしたのです。

平成13年の消費者契約法で、①事前相談の受け付け、②明朗な価格表示、③ご遺族の想いを大切に、④情報の提供と助言、⑤葬儀の選択・決定権、⑥疑問・不安点への対処、⑦常に改善に努力、➇アフターケアの提供、⑨責任ある対応、⑩信頼される葬儀社に、という10項目を葬儀社の仕事の内容・姿勢として明らかにしました。こうして、葬具提供業・式場設営業・式典運営業から、個別遺族への総合的なサービスを提供する業であると、社会に発信しました。

 

平成4年以降の「葬儀ブーム」に先行して、昭和60年前後より始まった「死のブーム」があります。「死」は、社会的なタブーとしてありましたが、高齢化が進んで終末医療(ターミナルケア)への関心が高まると、治療優先主義の医療への批判がでるようになりました。病気の最終段階において、患者本人の生活を犠牲にするのではなく、患者の「生命」「生活」の質(クオリティ・オブ・ライフ、QOL)を尊重した「ケア」が大切だとする批判です。

「死に方」は医者に決定権があるのではなく、患者本人に決定権があるべきだとする「死の自己決定権」の主張です。また医療情報の本人への開示と治療方法への同意(インフォームド・コンセント)が重要との認識が社会的に共有されつつあります。これにより「尊厳死」への関心も高まりを見せています。こうした「死のブーム」によって葬儀への関心の高まり、葬儀や墓に本人の意向を優先して生かすべきだとする「死後の自己決定権」が提唱されるようになりました。

 

戦後民法の改正により家制度が変わり、核家族化・少子化の進行もあり檀家制度は弱くなりました。それまで仏教葬の割合は9割以上を占めていたものの、寺院離れにより儀式のためだけの仏教寺院依頼が増えていきます。戒名および戒名料への批判もあり、近年では「お別れ会」「偲ぶ会」といった無宗教葬も見られるようになりました。

 

お墓も変化の中にあります。昭和35年以降、核家族化により都市圏で墓地需要が増え、公営霊園だけでなく、民間の霊園開発も行われました。その一方で、地方の寺院墓地が過疎化の影響を受けるといったような、対照的な様相を呈するようになりました。

また、「家墓」形態は核家族・少子化が進むことにより無縁化を招き、承継の問題が問われるようになりました。男子あるいは長子承継の墓地運営規則も見直され、両家墓(結婚した女子が承継のため2つの家名を並べる)や家名を刻まず「愛」「夢」などの言葉を刻む墓(=無家名墓)、あるいは承継者がいなくてもよい墓(永代供養墓)、30年、50年と期限のある有期限墓地、合葬墓や大規模納骨堂と多彩な墓が登場しています

さらに、都市における墓地開発の環境の面から、遺骨を墓や納骨堂に納めないで散骨する自然葬や海洋葬なども登場しています。しかし、墓埋法などが前提としていないケースだけに、法制化の必要なしとする意見と、住民から法制化すべきとの意見に分かれています。平成11年には山林環境を保護するため墓石などの人工物を一切用いない樹木葬墓地も誕生しました。高齢社会が本格化する中で、葬儀と墓をめぐる環境は大きく変化しつつあると言えます。

上尾市 葬儀
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