遺言

「遺言」は通常「ゆいごん」と読みますが、法律的には「いごん」と言います。自らの財産などを自らの死後どうするかについて、生前定めておくことを言います。

遺言と似たものに「遺書」がありますが、法律的には効力をもちません。これに対し遺言は、有効となる内容と形式が全て法律で定められているものです。

遺言として法的に有効なのは、主として財産に関する事項ですが、その他、相続人を廃除したり、子の認知をしたり、未成年者である子の後見人、後見監督人を定めたり、遺言の執行者を定めたり、祭祀承継者を指定したりすることもできます。「葬儀はこのようにしてほしい」などと遺言に書いても法律的には無効ですが、遺言自体が無効になるわけではありません。

遺言できる人は満15歳以上で(民法第961条)、また、夫婦など複数の者が同一内容の遺言を同一証書ですることはできません。(民法第975条、共同遺言の禁止)。

 

〇遺言の方式

遺言の方式には「普通方式」と「特別方式」があります。

「普通方式」には、自筆証書、公正証書、秘密証書の3種類があります。(民法第967条)。

「特別方式」は、普通方式の遺言がかなわない特別な状況でなされる遺言で、死亡危急者の遺言、伝染病隔離者の遺言、在船者の遺言、船舶遭難者の遺言、の4種類があります。(第976~979条)これら以外の方式によるものは遺言として認められません。

 

〇普通方式の遺言

❶自筆証書遺言

遺言者が遺言書の全文、日付、氏名を全て自書し、印鑑を押したもので、追加、削除、変更の方式も定められています。(民法第968条)特別な費用もかからず、最も簡単な方式ですが、法律の専門家でない場合には不備や不完全である心配もあります。実際、遺言の効力や本人の直筆かどうかは裁判で争われることもあり、確実性の点で問題があります。自筆が条件ですから、ワープロで書かれたものや、コピーは無効とされます。

自筆証書遺言は、死後に家庭裁判所による検認を受ける必要があります。また、封印のある場合は家庭裁判所で開封する必要があります。(民法第1004条)。

❷公正証書遺言

最も安全、確実な遺言の方式です。公証人が遺言者の口述に基づき公正証書として作成するものです。証人2人以上の立ち会いが必要です。(民法第969条)。

公証人に支払う手数料が必要ですが、専門家が作成するので無効のおそれがなく、原本が公証人役場に保管され、家庭裁判所による検認の必要もありません。

❸秘密証書遺言

公正証書遺言は公証人、証人の前で遺言内容を明らかにするものですが、秘密証書は、遺言内容は秘密にしたまま、その封印したものを公証人、2人以上の証人の前に提出し、自己の遺言書であることを証明してもらうものです。(民法第970条)

遺言証書の全文を自書する必要はなく、ワープロでもかまいません。但し、署名し、印鑑を押し、同じ印鑑で封印します。文章の追加、変更、削除は、定められた方式によります。死後、家庭裁判所で開封、検認を受ける必要があります。

 

以下のものは、あくまで遺言者が普通方式の遺言が不可能な、特別な状況にあるときだけに認められる遺言の方法で、遺言者が普通方式の遺言が可能になり6ヶ月生存したときには無効となります(民法第983条)。

 

〇特別方式の遺言

①死亡危急者の遺言

病気などにより死亡間近に迫った者が遺言しようとするとき、証人3人以上の前で口述し、証人の一人が筆記して各証人が承認して著名し印鑑を押したものです。遺言の日から20日以内に家庭裁判所に提出し、家庭裁判所が遺言者本人の真意であると確認しないと効力をもちません(民法第976条)。

②伝染病隔離者の遺言

伝染病のため隔離されて交通が絶たれ、人の行き来のできない場所にいるとき、警察官一人、証人1人以上の立ち会いで遺言書を作成することができます(民法第977条)。

※伝染病以外の理由で行政処分が行われた場合(例えば刑務所内にある者)も同様であると解されています。

③在船者の遺言

船舶中にある者は、船長または事務員1人、証人2人以上の立ち会いで遺言書を作成できます(民法第978条)。

④船舶遭難者の遺言

船舶遭難の場合、船舶中で死亡の危険が迫った者は証人2人以上の立ち会いのもと口頭で遺言できます。但し、証人はこれを筆記、署名、印鑑を押し、家庭裁判所の確認を得ないと効力をもちません(民法第979条)

 

〇遺言の効力と取り消し

遺言の効力と取り消しについて、主なものを記します。

1.遺言は、遺言者が死亡した時点から効力を発揮します(民法第985条)。

2.受遺者(遺産を贈られる人)は、遺贈(死後贈られる財産)を放棄することができますが、催告期間内に承認、放棄の意思表示をしないときは承認したとみなされます。また、いったん承認または放棄したものを取り消すことはできません(民法第986~989条)。

3.遺言者は、いつでも、遺言によって、前の遺言の全部または一部を取り消すことができます(民法第1022条)。

4.前の遺言と内容が重なったり、矛盾するなど抵触する遺言があったときは、後の遺言によって前の遺言が取り消されたものとみなされます(民法第1023条)。また、遺言書を自分の意思で破棄したり、遺贈の目的物を破棄、処分したときも、その部分の遺言を取り消したとみなされます(民法第1024条)

 

〇遺留分

例えば、遺言書に配偶者はあるが、子供も親も兄弟もいないとき、法定の相続人は配偶者1人です。この遺言者に愛人がいて、財産を全て愛人に遺贈すると遺言書に書いたとします。この場合、配偶者が異議を唱えなければ、愛人に財産が全て遺贈されますが、配偶者が異議を唱えれば、財産の半分が相続できます。このように一定の相続人が一定の割合で必ず相続できるように定められたものを「遺留分」と言います。

遺留分は、相続人が親(=直系尊属)だけの場合は3分の1、配偶者や子供の場合は2分の1です。兄弟姉妹には遺留分がありません(民法第1028条)。

相続人が配偶者1人だけのとき、遺言がなければ配偶者が100%相続しますが、前の例の場合は、その2分の1しか請求できません。この遺留分を請求することを「遺贈、贈与の減殺の請求」と言い、相続の開始(死亡時)あるいは減殺すべき贈与または遺贈の事実を知ったときから1年以内に行わない場合、または相続の開始から10年経過すると時効になり、権利は消滅します(民法第1042条)。

つまり遺言者は、相続人が兄弟だけの場合には遺言で全財産を自由に遺贈することを決定でき、相続人が親だけの場合には財産の3分の2について自由に決定でき、相続人が配偶者と子供のときは財産の2分の1について自由に決定できます。

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