在家葬法の原型

〇禅苑清規

現在の仏教葬儀は、浄土真宗系を除いて、死者に仏教の戒律を授ける受戒や引導が中心となっていますが、その儀礼の原型は禅宗(曹洞宗)にあると言われています。仏教葬儀は、インドでは火葬の際に、『無常経』をあげる程度でしたが、中国に入ると儒教の葬送儀礼の影響を受けて儀礼を整えていきます。特にその影響を強く受けたのが禅宗で、1103年に書かれた『禅苑清規』が葬送儀礼の原型と言われます。

〇尊宿喪儀法と亡僧喪儀法

禅宗の葬儀は、出家である僧侶の葬儀の仕方を定めた尊宿喪儀法と修行の途中に亡くなった僧に対する葬儀の仕方を定めた亡僧喪儀法の2つに分かれていました。 尊宿喪儀法は亡くなった僧侶とその弟子たちに弔意を表すことが中心で、亡僧喪儀法は死に臨む修行途中の僧侶の心中を察して、仏法の真理を伝授しようとする願いが中心だったようです。 この亡僧喪儀法が、浄土教や密教の影響を受けて念仏や往生祈願なども採り入れ、発展して武士や在家の儀法(檀信徒喪儀法)になりました。

〇在家の葬法

在家の葬法は亡僧喪儀法から発展して制度化されたものですから、死者にお経を読んで仏の覚りを得させ、僧にする印として剃髪し、戒名を授けます。そして引導を渡して成仏させるのです。これは死後に僧侶にするので「没後作僧」と呼ばれます。現在の仏教儀法の原型はここにあります。

〇龕堂(がんどう)での仏事が葬儀式の原型か

当時は、龕堂と火葬場(墓所)の2ヵ所で仏事が行われたようです。「龕」とは棺または棺を納める容器のことで、龕堂は柩を安置する所を指します。お寺や自宅、あるいは当時火葬場である火屋と向かい合う形で龕前堂(今で言う斎場、葬儀式場のようなもの)が作られました。この龕堂での仏事が今の葬儀式に発展したものと思われます。

〇禅宗の葬儀の次第

遺体を湯灌し、剃髪し、清浄な新しい着物に着替えさせ、龕(桶の形をした棺)に納めて、袈裟などで覆います。この覆いは現在の棺覆いの元と思われます。龕前には卓を置き、それに白打敷をかけ、卓上に花、香炉、燭台のいわゆる三具足を並べ、その他故人愛用の道具を並べます。これは現在の枕飾りであり、祭壇の原型になったものです。 龕前の準備が整ったところで一同が集まり仏事を行います。僧侶が法語を唱え、焼香し、茶湯を献じ、読経、回向と続きます。

〇白幕と掛真

ここで葬儀の設営と関係して注目されるのは龕を移した部屋の周囲に白幕を張りめぐらしたことです。また、龕を閉じた後、掛真(けしん)の儀式があります。これは個人の肖像画を須弥壇の上に飾ることですが、今の遺影写真を見る感じがします。

〇葬送と火葬

火葬(埋葬)の当日には起龕と読経、つまり出棺の儀礼を行い、葬列を組んで火葬場(墓所)に向かいます。そして火葬場で仏事を行って荼毘に付します。翌朝、火葬場に赴き拾骨をし、遺骨を寺または自宅に安置して安位仏事を行います。これは現在でも火葬後に遺骨を安置して法要を営むことにつながっています。

禅宗では本来、龕前、移龕、鎖龕、起龕、火葬(埋葬)と、遺体を移動させたり遺体に対して所作を行うごとに仏事を重ねることになっていましたが、次第に簡略化されて、自宅と火屋(あるいは墓所)での仏事のみとなっていきます。

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祭壇は必要なのか?

先日、事前相談を受けるなかで、「祭壇を無しにすることは可能なのでしょうか?」
とのご質問を受けました。

お寺様を呼ばずに、火葬だけの式ということでしたら祭壇を設置することはないのですが、
今回のご相談の内容は、一日葬ではありますが、お寺様にも来ていただき、しっかりと
式として、執り行いたいというものでしたので祭壇は必要となります。
そもそも、なぜ祭壇は必要なのでしょうか?
祭壇を設置する意味とは何なのでしょうか?

現代の葬儀に使われている葬儀の道具は、そのほとんどが土葬の時代に葬列を組んでお墓まで歩いていた時に使われていた道具を代用しているものが多いです。

 

 

白木祭壇は、土葬の時に白木で作った輿にお棺を入れて墓地まで運んでいたのですが、この輿の部分が現代では白木祭壇に代用されているのです。

おそらく、当時のお寺様は輿に入ったお棺を前にお経を唱え、儀式が終わると係の方が輿を担ぎ墓地まで向かうという流れだったのでしょう。

 

現在では輿の部分が上部に祀られ、段になっており、そこにお遺影写真を飾ったり、
六灯篭を設置したり、お供物を供えたりとなっています。
本尊を置くのも祭壇になります。
イメージでは、当時葬列を組んで墓地まで歩いていた時の道具をまとめたものが白木祭壇といったところでしょうか。
しかし、近年ではその意味合いよりも、お遺影写真の周りをどの様に飾るかの意味合いが
強くなってきているような気がします。
その傾向が、花祭壇になります。
意味の解らない、使いまわしの白木祭壇よりも、見た目も華やかで綺麗な、その時
一度きりのお花の祭壇のニーズが高くなってきております。

例えば、祭壇を飾らずにお遺影写真やお供物をただ置くだけでお葬式をすることは出来なくもないですが、やはり寂しい印象になってしまうのではないでしょうか。

 

必要以上の費用をかけるまではしなくとも、ご予算の範囲内での飾りつけは必要なのかもしれません。

祭壇の意味と必要性…皆様はどの様なお考えになりますでしょうか?
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どうして戒名を付けるのか?

先日、担当したご喪家様での話です。

7年前にお父様を送るお手伝いをし、今回はお母様を送る
お手伝いをさせて頂きました。

ご葬儀の打合せをしていく中で、前回のお戒名のお話になりました。

内容としては、付いた文字にしっくりいかなかったという事。
お父様のイメージと少し違っていたという印象があったようです。119232

皆さまは、戒名についてどの様なイメージをお持ちでしょうか。

そもそも戒名とは、仏の弟子になった証だったり、浄土に行くには俗世間のままでは行くことが出来ないので、生前のお名前ではなく、戒名を付けるという意味があります。
しかしながら一般的な戒名のイメージは、戒名の種類(男性:信士・居士・院居士
女性:信女・大姉・院大姉)によってお布施の金額が変わるものと解釈され
ている方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

近年、お布施や戒名に関しては、様々な考え方があります。
そもそも戒名は、お世話になっているお寺様に生前に授かり、
「私は仏の弟子となり、教えと規律を守ります」という誓いの証でありました。

しかし、現代では日常生活の中でお寺様と関わるのは葬儀と法事の時くらいで、
そもそもお付き合いのあるお寺様がいないという事から、死後に授かるように
なりました。

お寺様と檀家関係のお話にもなりますが、本来は生前からのお付き合いがあり、
普段からお布施や寄付など、生前お寺への貢献度が大きいと位の高い戒名が授けら
れ、葬儀の時のお布施はそこまで高額ではなかったと聞きます。

現代になってから、お寺様との関わりが薄くなり、貢献度での差がなくなったため、
戒名の位によって、金額に差が出るようになりました。
これが、戒名=金額の差というイメージになってしまった原因に思います。
今回、感じたのは戒名のもう一つの意味。
戒名の文字は、お寺様が生前のご性格やどの様な事をされてきたかなど、その人柄を聞き、文字を選んでいきます。

ご遺族にとっては、これからお仏壇にお線香をあげる際に、いつも見る名前になります。
確かに、イメージに合う文字を使って頂ければ、生前を思いだしながら、手を合わせることができますし、思い出も振り返りやすいかもしれません。

戒名というのは、仏門に入る証という意味と共に、故人を偲ぶうえでも大切な役割を担っているのだなと改めて感じました。

近年は、お寺様も呼ばずに行う葬儀もあります。戒名を付けるということをしない方もいらっしゃいます。

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お寺様との関わりが希薄となり、信仰もなければ、なぜ戒名を付けなければならないのかという考えに至るのも仕方がないことに思います。
しかしながら、ご先祖様が大切にされていたことを引き継いでいく事も残された者の役割なのかなと感じることもございます。

団塊の世代の方たちが、どの様に引き継ぐかによって、これからの葬送文化にも様々な変化が起きてくる のではないでしょうか。

皆さまは、戒名についてどの様に思われるでしょうか……。


なぜ、葬儀の際に花を手向けるのか?

お葬式を執り行う際に、祭壇の周りにお花が
使われているのを目にしたことがあると思います。お花

また、花祭壇のように祭壇自体をお花で設営したり、出棺前に故人様にお花を手向けるという時間があったりします。

そもそも何故、葬儀の際にお花を飾ったりするようになったのでしょうか。

その意味は?と考えると昔から出しているからという感覚が多い様に思います。

仏教説話では、「亡くなった仏陀の上に沙羅樹の花の長い枝が
垂れ下がって遺体を囲んでいた」とあります。

その他にも、再生を繰り返す花や植物を飾ることによって、新生を
願うために供える、極楽浄土はお花畑のような所なので、極楽浄土へ
と無事に旅立てますようにとの願い等々、諸説あります。
しかし、仏教に限らず宗教や民俗をこえて死者を弔う際は
祈りをこめてお花を飾ったり捧げたりしています。

そう考えると、仏教的な意味というよりも、もっと共通な意味合いが
あるのだと思います。

そもそもお花には花言葉というように、お花それぞれにも意味が
あったりしますし、葬儀に限らず、人生の様々な場面でお花は
飾られてきています。

お花の役割は、「心の豊かさを満たすこと」と聞いたことがあります。
確かに綺麗なお花を見ると、心が安らぎますよね。
お葬式の場面では、大切な方を失った悲しみが大きいです。
お花を供えるということは、少しでもその悲しみを和らげたい、
安らかな空間で大切な方を見送りたい、そんな優しさや真心の想いが
大きいのかもしれません。

心や想いという目に見えない物を、形として表現できるものが
お花以外にあるでしょうか。

一昔前は、葬儀の御供花といえば菊が主流でした。今は菊だけでなく
色々な種類のお花のご供花もあります。
未だに菊しか扱っていない葬儀社もあるようですが……。

菊 洋花

物の意味や本質を大切にしていれば、様々な形を実現して、後悔のない

お葬式のお手伝いをしていく事が、私達の仕事でもっとも重要な事かと
思います。

心安らぐ演出をお花からも考えていきたいと思います。