現在、主として利用されているのは「和型」と言われる三層構造の墓石で、江戸時代に生まれた形式です。最近ではこれに「洋型」と言われる形態が加わっており、部分的ですがオリジナル・デザインの墓石もあります。昔の形態をとどめる五輪塔も一部に見られます。

墓埋法によると、遺体または遺骨を納める場所は「墳墓」と「納骨堂」の2つに分類されます。

➊墳墓

「墳墓」とは個々のお墓のことです。墓埋法に、「墳墓」とは「死体を埋葬し、又は焼骨を埋蔵する施設」とあり、ここでいう「埋葬」とは「死体を土中に葬ること」つまり土葬のことを言いますから、土葬墓、火葬墓を総称して「墳墓」と規定されています。日本では現在火葬率が99.4%(2000年)ですが、土葬も法律的には認められています。

❷墓地

墳墓を設ける区域が「墓地」で、墓埋法では「墳墓を設けるために、墓地として都道府県知事の許可を受けた区域」と規定されています。(同法の第4条「埋葬又は焼骨の埋蔵は、墓地以外の区域に、これを行ってはならない」)そのため、墳墓すなわちお墓は勝手に作ることは許されないと決められているのです。また、墓地経営は、事実上、自治体による公営化、財団法人、宗教法人のいずれかでないと認められません。

また、法律的に土葬が認められているとしても、現在では、一部の地域や信仰上の問題など特別な事情がある場合を除いて、土葬は現実的には困難になっています。

❷納骨堂

「納骨堂」とは「他人の委託をうけて焼骨を収蔵するために、納骨堂として都道府県知事の許可を受けた施設」(墓埋法第2条第6項)です。したがって、寺院、教会といった宗教施設でも、納骨堂の許可を得ていない施設では他人の遺骨を長期的に預かることが出来ません。但し、「他人の委託をうけて」とあるので自分の家族の遺骨を自宅に保管することは違法ではないと解釈されます。

 

○埋葬、改葬

➊埋葬、納骨には許可証が必要

お墓に遺体を埋葬するとき、遺骨を埋蔵するとき、あるいは、納骨堂に遺骨を収蔵する

(=預ける)ときには、死亡届を出した自治体で交付される火葬・埋葬許可証が必要です。

特に納骨の場合には、許可証に火葬済との証印を受けたものが必要で、この許可証を墓地または納骨堂の管理者に提出します。

❷改葬にも許可証が必要

「改葬」とは、いったん納めたお墓または納骨堂から遺骨を他のお墓または納骨堂に移動させることです。この際、遺骨が納められている地の市区町村から「改葬許可証」を受け、移動先の墓地または納骨堂の管理者に提出します。

❸分骨する場合

分骨する場合には、火葬場の管理者の発行する火葬証明書または主な遺骨の収められている墓地または納骨堂の管理者の発行する埋蔵(収蔵)証明書を得て、分骨を収める墓地または納骨堂の管理者へ提出します。

 

○墓地の分類

➊村落共有墓地

村落共有墓地は古くから村落が共有して保持していた墓地を追認したもので、新しく認められることは事実上ありません。

❷寺院境内墓地

寺院境内墓地は、最初に寺院の檀信徒になるという契約があり、檀信徒であるから墓地の使用が認められるという関係にありますので、檀信徒として寺の維持その他の義務を負います。

❸公営墓地

公営墓地は、自治体の条例その他で使用条件が定められ、使用権を取得するものです。

❹民営墓地

民営墓地は、管理者と使用者が対等な契約に基づいて使用権を取得するもので、財団法人や宗教法人などの公益法人が経営する墓地です。

 

○使用権

一般にお墓を取得することを「お墓を買う」と言いますが、厳密にいえば「墓地を使用する権利を取得する」ことです。墓地の土地は墓地の経営主体の所有物件で、利用者にその使用権があり、墓石は利用者の所有物件、となっています。お墓の建立にあたっては、使用権入手費用(一般に「永代使用料」という)、墓石建設費が必要で、このほか継続的に管理料が必要です。使用権の名称が「永代」となっていても、管理料の支払いが一定期間途絶え、承継する縁故者が不在のときは、使用権が消滅し、墓石は撤去され、遺骨などは無縁塔に合祀されます。

改葬するには、一般には、利用者が自ら墓石を処分し、更地にして墓地使用権を返還し、新たな移動先の墓地使用権を取得します。(使用権入手費用は原則として返還されません。)

 

〇お墓の承継

お墓の使用権者が死亡したとき、「お墓を継ぐ」必要がありますが、これを「墓の承継」と言います。お墓は民法に規定された「祭祀財産」という性格をもっており、その継承者は、本人が指定するか、そうでない場合には「慣習により」定め、最終的には家庭裁判所が決します。

子供がいないためお墓の継承者がいないというケースもでてきています。民営墓地では無縁化を避けるため、配偶者や直系のこどもの範囲であれば申請者に承継を認め、後から問題となったら裁判所に判断を委ねる方式をとるケースが増えています。

こうした社会的変化に対応して、永代供養墓(公営の場合「合葬墓」と言う)も出てきました。契約した一定期間は承継者がいなくても墓が存続し、その期間がすぎて承継者がいなければ定められた合祀墓(集合墓)に合祀するという方式が一般的です。また、最初から合祀する形態の永代供養墓もあります。

〇埋骨方法

お墓で、遺骨を納める部分を「カロート」と称しますが、お墓への遺骨の埋葬は、カロートに骨壺単位で納める方式と骨壺から遺骨を空ける方式とがあります。

〇散骨

近年マスコミの話題をなり、関心を深めているのが「散骨」です。遺骨を墓地または納骨堂に納めるのではなく、遺骨を粉末状にして、これを海や山などに撒く方式です。

法律的には、①原型をとどめないよう粉砕する、②他人が嫌がらない場所に撒く、③その他問題が生じないこと、というのが常識的解釈です。なお、散骨にみられるのは自然回帰志向で、墓地でありながら墓石や骨壺などの人工物を一切用いないで遺骨を埋め、花木を植える「樹木葬」なども現れ、注目を浴びています。
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